2026/03/01

食の支援で国際交流

  このコラムで以前に、外国人日本語学校で学ぶウクライナ人学生の話を取り上げました。これを読んだ知人からのメールです。

 「外国人留学生への食料支援、素晴らしいことやっていますね。国際社会で日本の立ち位置が難しい現在、こうした草の根交流こそが一番求められているのではないでしょうか」と、励ましの言葉をもらいました。

 私たちソスペーゾ多摩は、多摩市内の外国人日本語学校2か所に食の支援を続けています。今回は、そのうちの東京さくらインターナショナルスクール(TSIS)を紹介しましょう。

 同校の留学生は139人(2026225日現在)。新学期を迎える4月以降は170人に増える予定で、学生の国籍はベトナム、ネパール、スリランカ、中国、ウズベキスタン、ウクライナの6か国。4月からはミャンマーの学生が加わるそうです。

 田代直己校長によると、学生はここで2年間みっちり日本語を学んだ後、日本の専門学校や大学に進学、卒業後は日本の企業への就職を目指しています。シンガポールなど他国、または本国へ戻って地元企業へ就職する学生もいますが、日本国内の企業、特にIT関連企業への就職希望が多いと聞きます。

 日本での留学、就職を目指す目的はもちろん、自らのキャリアアップですが、いずれ、少子高齢化の日本の将来を背負う貴重な人材となるかもしれません。

 彼らは私費留学生ですから、留学資金はそれぞれ自己負担、学費、生活費は親からの仕送り、または借金で賄っているとのことです。日本の農村や工場で働く技能実習生に比べると、恵まれているようには見えますが、日本での留学生活は決して楽ではないようです。

 学費とアパート代を払うと、親からの仕送りはほぼ消えてしまいます。日本では外国人留学生のアルバイトが月28時間と上限があるため、ほとんどの学生は食費を切り詰めて、ぎりぎりの生活。日本は食料品が自分の国よりも高いので、「ソスペーゾ多摩からの食料支援を本当に喜んでいます」と同校長。「日本の果物、特にりんごやみかんが甘くて美味しすぎると大人気です」と話しています。

 ソスペーゾ多摩は同校に毎週1回は必ず、野菜、果物のほかインスタントラーメンや菓子類などを届けています。先日、パンを届けた時は、授業を終えた学生たちが次々と押し寄せて大変な騒ぎとなりました。受け取ると、すぐに食べ始める学生もいて、校長が「立ち食いは日本ではダメ。家に帰ってから食べなさい」とマナー指導をしたほどです。

 田代校長によると、「他の外国人日本語学校でフードバンクから支援を受けている所は聞いたことがない。(ソスペーゾ多摩が支援する)多摩市内の2校だけではないでしょうか」。

 子供達だけでなくなぜ外国人留学生にまで、私たちは食料支援を続けるのでしょうか。

 私たちが配る食料は、量的に見ても、学生たちをすべて満足させるものではありません。それでも、フードバンクからの支援活動を知って、彼らが日本をさらに好きになってくれれば、国際交流としての価値は十分あると思います。

 昨今、日本ばかりか海外でも、外国人に対する反感、規制を求める動きが強まっています。近視眼的に外国人のネガティブな部分だけをとらえるのではなく、彼らと共存する道をもっと探るべきではないか、と考えています。    (有道)