2026/05/10

1日遅れの「こどもの日」

  GWも終わり近く、ソスペーゾ多摩のボランティアメンバーの一人が、個人的なつながりで支援を続ける家庭にプレゼントを届けました。

 以下は彼から届いたメールです。

 5月6日、近くのスーパーで「こどもの日」向けのお菓子袋詰めセットを見つけました。前日の売れ残りでしたが、約半額だったので迷わずゲット。私が個人的に支援する大家族に大急ぎで届けました。

 事前に買い求めてあった小さな「鯉のぼり」も一緒です。届け終えた後、ドア越しに聞こえる子どもたちの歓喜の声、耳に残ります。

 この子どもたちは1日遅れでも、思いもかけない「こどもの日」のプレゼントが嬉しかったのでしょう。これを聞いて、私もホッコリした気持ちになりました。

 ありがとうございました。     (有道)


安く、近く、短く

  最長12連休もありと言われた今年のGW。夏日や、突風が吹き荒れるところもあり、北海道稚内では雪も降りましたが、全国的には、さわやかな初夏の陽気に恵まれました。

 私たちが食料支援する子どもたちは、大型連休をどう過ごしたのでしょうか。お母さんが仕事で忙しく、なかなか遠くまで連れて行ってもらえない子もいます。

 今年のGWのキーワードは「安・近・短」だったとか。遊びに出掛けても「低予算で安く」 「なるべく近場で」 「日帰りで短時間」の人たちが多かったということです。あるTV局が今年は「ゴールデンウイーク」ならぬ「節約ウイーク」と伝えていました。

 大型連休をどう過ごしたか、いずれ、きちんとした社会動向調査の結果が出るはずですが、取りあえず、私の周辺の知り合いの人たちから話を聴いてみました。人数も限られた狭い世界での「調査」ですが、少しは参考になります。

 遠出したのは1家族だけ。東北の実家へ子ども連れで帰省、マイカーで2泊3日。 「夏は猛暑なので無理。旅行は今がチャンス。思い切って出掛けた」と言います。

 他は「隣県の屋外イベント(大凧まつり)を見に行った」 「北関東の景勝地を観光」 「近県に帰省し空き家となっている実家を掃除」 「都内デパート物産展で買い物(夫婦2人)」 「外食レストランは高いので、弁当持参で近場の公園へ」 「駅前の子ども祭り・フリーマーケットへ」 「自宅近くをひたすら散策」 「自宅にこもり溜まった家事を片づけた」 「いつもと変わらず仕事(私たちが寄贈を受ける青果問屋さん)」 という人もいました。

 東北旅行の家族を除き、共通しているのは「ほとんど日帰りレジャー」という点。若い世代の家族は「5月5日はこどもの日。泊りがけでどこかに連れて行きたかったのですが」と言います。ホテル代も、交通費も、食事代も、こうも高くなれば、宿泊旅行は考えてしまいますよね。今年のGWは、出掛ける先を探すのに悩んだ人が多かったはずです。

 「連休中の全体的な行動傾向」として「自宅でゆっくり過ごすという人が60%超」との調査結果(株式会社mitoriz)もあります。今は自宅にいても、ネット配信の映画やユーチューブなど娯楽も増え、「金もかけずに十分楽しめる」ということでしょうか。いわゆる「巣ごもり派」が半数以上も占めるのは、厳しい経済状況だけではなく、日本社会全体が「外向き」ではなく「内向き」になっているからかもしれません。

 大型連休終盤になると、TVニュースは決まって「高速道路渋滞」 「東京駅、羽田空港の混雑」の様子を取り上げます。他に取材するものはないのか、と言いたくなりますが、今回も東京駅新幹線ホームで、小学生の男の子が「美味しいものたくさん食べた。ジジとババからお小遣いもらった」と答えていました。これからは、TV局もこういう「狙い通りのコメント」をする子供を探し出すのに苦労するでしょう。故郷への帰省や家族そろって泊りがけ旅行も庶民には「高嶺の花」となる時代ですから。

 新型コロナウイルス禍以降、人々の休日の過ごし方がすっかり変わりました。今年の大型連休の人の動きを見ていると、その傾向がさらに強まりつつあるように感じます。    (有道)

📷 自宅近く駅前での子供祭り。多くの屋台が並び家族連れで賑わった。

2026/04/26

黄金週間も活動続けます

  今週から黄金週間に入ります。

 ソスペーゾ多摩は、5月5日(火)だけは青果市場が休みなので、活動をお休みします。

 そのほかは土曜日含め休まず、いつも通り活動を続け、子どもたちに食料を届けます。 

 カレンダーを見ると、今年は5月2日(土)から6日(水)まで5日間休日が続くので、お勤めの人たちは長期のお休みがとれそうです。今は暑くもなく最高の季節、各地の行楽地も家族連れで賑わうことでしょう。     (有道)


 

ワシントンの桜祭り

  新緑が美しい季節となりました。

 関東地方では花見シーズンもとっくに過ぎ、もう話題にもなりませんが、桜前線はまだ北海道を北上中です。日本の桜前線の終着地は北海道根室。今年の満開予想は5月8日ごろですが、それでも例年よりは1週間ほど早いそうです。

 少し前のことですが、仕事で米国駐在の知人から「ワシントンDCの桜祭りに行ってきた」とのメールが届きました。ワシントンの桜(注1)も有名です。日本から贈られたという3000本の桜が一斉にピンク色の花を咲かせ、見事な景観が広がります。今年は3月末に早々と満開になったそうです。全米桜祭りが催され、日本のニュース報道で観た人も多いでしょう。

 飲めや歌えやの宴会を楽しむ日本の花見と違って、米国人は桜並木の下を静かに散策するだけと聞いていましたが、最近はワシントンの桜見物もすっかり変わって、全米各地や海外から150万人の観光客が押し寄せる春の一大イベントになっているようです。

 知人によると、期間中には、日本文化を紹介する「ジャパンフェスタ」も開かれ、今年も日本の屋台が行列ができるほどの人気。焼きそばなど日本の定番メニューが並びましたが、「どれもすごく高くて、さすがに驚いた」と言います。焼きそば(普通盛り)1皿1720ドル(2,7003,200)、たこ焼き1(6個)16ドル(約2,500円)、おにぎり16ドル(約1,000円)だったそうです。

 アメリカは外食がべらぼうに高いとは前から聞いていましたが、「屋台の焼きそば3,000円」には、あ然とします。

 ニューヨークはどうなのか。日本でもポピュラーなメニューの価格を調べてみました。ラーメン12025ドル(約3,0004,000円)、回転ずし1皿2貫5ドル(約800円、1番安いネタ)。マックは1016ドル(約1,6002,600)もします。つまり回転寿司は10皿でも頼むと、最低でも8,000円。しかも、アメリカはチップが必要なので、これに1020%分を上乗せします。すべて日本の2倍から3倍と考えてみれば間違いないでしょう。

 今は円安。さらにワシントンDC、ニューヨークいずれも、裕福なビジネスマンにファンが多い日本食を例に挙げたので、価格が高いのは当然なのかもしれません。でも、飛行機に乗ってでも、回転ずしを食べに日本へやって来るアメリカ人の気持ちが分かりますね。

 米国はレストランの食事だけでなく、生活費全般、家賃が高く、新型コロナ禍の回復以降、ずっとインフレが続いています。2026年もトランプ関税や相次ぐ戦争により、物価高は止まりそうもない状況。日本と違って給料が高いから困らないだろう、と思ってしまいますが、一部報道によると、年収,000万円(約60,000ドル以上)程度でも、特に都市部では貯蓄が困難で「生活苦」を感じるケースが増えているのです。

 中流層でさえ厳しいとなれば、低所得者層はもっと深刻。「働けど働けどまともな生活ができない」といった悲痛な声も挙がっています。ここ2、3年、アメリカでも各地でフードバンクを利用する人が急増、連日、行列ができているとの報道がありました。

 「フードバンク発祥の地ならではの光景」などと言っている場合ではありません。米国は大国ながら、常に「光と影」を併せ持つ不思議な国ですが、今、その「影の部分」が拡大しているようです。この国はいったいどうなっているのか理解できません。

 迷走する現大統領が仕掛けた戦争で、世界中を混乱に巻き込んでいます。地球上の誰もが、先が見えず不安の中にあるように思えます。    (有道)

 注1)米国建国250周年を記念し、日本からワシントンD.C.へ新たに250本の桜が寄贈され、今年4月に植樹式が行われた。

2026/04/19

エンゲル係数

  私たちの生活の豊かさを測る指標の一つに「エンゲル係数」があります。

 「消費支出全体に占める食費の割合」のことです。数値が高いほど「食べることに追われて余裕がない状態」、すなわち「生活が厳しい」ということになります。確か、中学校の社会の時間に習うはずですが、私の場合はテストの前に丸暗記しただけで、深い意味も知らずにずっと忘れていました。

 この「エンゲル係数」が今また関心を集めています。

 今年2月に発表された総務省家計調査によると、2人以上世帯のエンゲル係数が2025年は28.6%となり、1981年(28.8%)以来、44年ぶりに高水準を記録したからです。前年の2024年(28.3%)と比べてみても、0.3ポイント上昇しました。

 日本全体が食糧難にあった終戦直後の1946年、66.4%にも達した我が国のエンゲル係数(注1)は戦後の復興、高度経済成長による所得水準の向上で徐々に低下しましたが、2005年(平成17年)の22.9%を底に上昇に転じ、ここ10年ほどはじわじわと上昇を続けているのです。

 近年のエンゲル係数上昇の背景には、個人所得の伸び悩みと食料品価格の上昇があります。気候変動による異常気象に加えて、ウクライナ戦争に続く今回の米国・イスラエルによるイラン攻撃で国際経済が大混乱。原料価格の高騰や円安の進行で、生鮮食品をはじめとする日本国内の食品価格は大幅に上昇し、物価全体の伸びを大きく上回る状況です。

 データを見ても、2025年の消費者物価(総合)は前年比+3.2%と大幅に上昇しましたが、内訳をみると、食料品以外の部分では同+1.7%であるのに対して、食料品の上昇率は+6.8%で、食料品値上げがいかに大きいか、よく分かります。

 毎日、スーパーへ買い物に行くと、相次ぐ食品の値上げにため息が出ます。できるだけ安い商品へシフトするなど消費者は生活防衛を図っていますが、生きていくために必要な食料品は節約が難しく、食べ盛りの子供を抱える家庭では支出の抑制にも限度があります。結果として食料品への支出割合が増加、エンゲル係数の上昇が続くというわけです。

 年間収入別(2025年)にみると、収入が最も多いグループ(年間収入1152万円以上)の24.1%に対して、収入が最も少ないグループ(年間収入280万円未満)は34.4%と、支出の3分の1以上を食費が占める形になっています。 

 ソスペーゾ多摩が支援する家庭のエンゲル係数がどのくらいの数値になるのか。私たちの組織ではとても調査できませんが、一般家庭を上回り、かなりの高水準になると思われます。

 エンゲル係数が近年、上昇する理由は、このほか家族構成の変化など、さまざまな要因がからみ、戦後の食糧難時代のように単純に生活の困窮度と直結して考えられないという側面もあります。次の機会に改めて考えてみたいと思います。

 ちなみに政府のエンゲル係数調査は、47都道府県別の数字も出しています。県民性が見えて結構面白いです。

 ランキング上位は関西圏の大阪、京都、兵庫県が多く、2025年(県庁所在地別)は大阪市が第1位です。大阪は所得も東京に次いで高く、いわゆる分母となる総消費支出も大きいはずなのにエンゲル係数が高い。「食い倒れの街」と言われるだけあって、食べることにはお金を惜しまないのでしょうか。

 下位は年によって変わりますが、香川や鹿児島県あたりがよく顔を出します。香川は「うどんばかりで、食べ物には淡泊だから」と聞いたこともあります。 本当ですか!    (有道)

 (注1)日本でエンゲル係数の第1回発表は明治元年(1868年)。158年も続く公式経済統計の原点。明治以降、豊かな食事で国民の体力増進とともに、近代国家を目指した日本人のエンゲル係数へのこだわりを感じる。

📷 値上げが続く近所のスーパー売り場

2026/04/12

パックご飯嬉しいです

 クロワッサンとパックご飯の寄贈を受けました。

 生活協同組合パルシステム東京からです。ありがとうございました。

 クロワッサンの寄贈はこれで3度目になります。以前にも報告した通り、同組合は価格高騰のため、お米を寄贈できなくなり、昨年から代わりにパン(クロワッサン)を提供しています。今回はなんと、パックご飯も大量に提供していただきました。

 クロワッサンは子どもたちが大好き。袋を手渡すと、一瞬はにかみながら笑顔を見せます。パックご飯も給食がない春休み中なので、お母さん方からとても喜ばれました。

 高騰を続けていたお米は今後、価格が徐々に下がると言われています。それでも、今はまだ元の価格水準には戻らず、生活が厳しい家庭では大きな負担となっているようです。

 最近は、企業からお米や麺類、パスタなど主食系食品の寄贈が減っています。そんな中で初めてのパックご飯の大量寄贈、助かりました。

 同組合多摩配送センターによると、今回提供したお米とクロワッサンは生協組合員(利用者)からの募金を基に購入したものだそうです。私たちはこれまで、余剰商品または配達予備分を提供してくれている、とばかり思っていましたが、一般組合員からのご厚志だったのですね。そうとは知らず、大変失礼しました。組合員の皆さんに厚く御礼申し上げます。

 大勢の方々が子どもたちのことを気に掛け、応援してくれています。ありがたいことです。    (有道)


2026/04/05

3年たちました

  ソスペーゾ多摩は、この4月で設立3周年を迎えました。

 メディアに登場することもない小さなフードバンクですが、地域の方々の支援を受けて、地道ながらも三年間、活動を続けてきました。

 設立当初から私たちを全面的に支える多摩ボランティア・市民活動支援センター、いつも大量の食料を寄贈・寄付してくれる企業及び団体、一般市民の方々、厚く御礼を申し上げます。特に、私たちが集めた食料を各家庭に配る中間支援団体の方々には大変助けられています。ありがとうございます。

 2025年度(20254月~20263月)の取扱量は、寄贈を受けた食料・物資が計61,503kg(前年比12.3%増)、配布した食料・物資が計58,238kg(同12.5%増)に達しました。継続配布する支援対象家庭も120世帯、250人に増えました。このほか外国人留学生250人にも支援しています。

 いずれも物量が前年より増えたのは、各ボランティアメンバーによる日ごろの弛まぬ努力の成果と言えます。

 ただ、利益を追求する一般企業と違って、実績アップを手放しで喜べないのがフードバンクの難しいところです。フードバンク利用者が増えているということは、それだけ生活に苦しむ家庭が増大していることにもなります。各家庭の生活状況は様々、個別要因もあるため単純に推しはかることはできませんが、フードバンク活動をしていると、社会の生活実態がよく見えてきます。

 相次ぐ戦争で世界経済が大混乱、日本でも急激な物価上昇で生活を切り詰める人がかなり増えていると聞きます。私たちが支援する家庭の中にも「フードバンクの食料だけが頼り」という切羽詰まった人たちがいます。

 ソスペーゾ多摩の特徴の一つは、ボランティアメンバーが設立当初からほぼ固定され、途中で辞める人がほとんどいないことです。夏の酷暑、時には豪雨の中、屋外で荷物を黙々と運搬、配達する作業、しかも無給で動いています。この原動力はどこから来るのでしょうか。余程の強い意志がなければできないでしょう。昨年は新たに1人が加わり、現在は9人が活動を続けています。

 私たちの活動は4年目に入りましたが、この先の不安も多く抱えています。最大の課題は、フードバンク活動の基本でもある「食料調達」が難しくなっていることです。食料の配給を求める人たちが増えていく中で、配布食料・物資を十分に調達できるのか。厳しい経済状況の中で、フードバンクに対する企業や団体の協力が縮小する傾向にあり、生産管理が強化されて食品メーカーなどからの余剰食糧の提供も減っています。

 ソスペーゾ多摩の場合は、地元企業の強力な支援もあり、野菜・果物は量的に恵まれていますが、米、麺類など主食系食品の提供は少なくなっています。頭が痛いところです。

 経済情勢が厳しい時ほど必要とされるフードバンク。「子どもたちに満足な食事を」という活動の原点を忘れずに、希望をもって困難を乗り切って行きたいと思っています。    (有道)