ウクライナ出身の学生アリサさんの話を続けます。
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キーウの自宅近く、私もよく歩いた通りにもロシアのミサイルが着弾しました。警報が鳴るとシェルター(防空壕)に駆け込むのです。ドローン、ミサイルの音は独特で、言葉には言い表せない「不気味な音」(アリサさんは英語でuncomfortableと表現)です。この音を思い出すと、今も眠れません。日本でも、救急車のサイレンを聞くと、体が反応してしまいます。
ロシアの侵攻によってウクライナで女優になるという自分の夢は絶たれました。大好きな日本でこれに代わる道を見つけたいです。考えてみると、ロシアのプーチンが大統領に就任したのは2000年5月のことです。私が生まれたのはこの頃ですから、自分の人生はずっとプーチンによって翻弄されています。
ロシアには友人も多く、私自身モスクワに住んだこともあります。ロシアは決して嫌いな国ではありませんでした。ウクライナの人たちは何も悪いことをしていないのに、プーチンはなぜ私たちの国に攻め込んで来るのでしょうか。
この戦争に負けて、ウクライナはロシアの属国になるのでしょうか。この先、私たちの運命はどうなるのか、ものすごく不安です。
昨年暮れからロシアはウクライナのエネルギー関連施設を狙い、ミサイルやサイバー攻撃で破壊しています。キーウは毎日停電が続いています。電気と水、暖房が止まっています。ウクライナの冬は東京と比べものにならないくらい、めっちゃ寒いです。氷点下の寒さの中、皆が毛布にくるまって震えているのです。
今、ウクライナの人たちは一日一日生き延びるだけの「サバイバル状態」です。停戦の見通しもなく、絶望的な気持ちになります。これまで頑張って来ましたが、とても耐えられません。「もう無理」と思うこともあります。
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アリサさんはウクライナが置かれた現在の厳しい状況を、時間をかけて説明してくれました。ミサイルやドローンが飛んでくる恐怖など、まさに体験した人でなければ分からないことです。
話を聴きながら、国際社会が戦争終結に向けて具体的な成果を一向に挙げられない、もどかしさを感じました。
話は少し変わりますが、前に、このコラム欄で取り上げた大相撲の新大関安青錦が初場所で見事優勝を果たしました。千秋楽の優勝決定戦で、熱海富士の怒涛の寄りを土俵際で歯を食いしばって残し、最後は左からの首投げで逆転勝ちでした。
私は熱海富士のファンでもあるので、二人を応援しましたが、素晴らしい勝負でしたね。ウクライナからは辛いニュースばかり届く中で、久々に嬉しい出来事でした。
(付記)1月30日付報道によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアがトランプ米大統領の要請を受け入れて一部攻撃を停止、29日から30日にかけてウクライナのエネルギー関連施設への攻撃はほぼ行われていないことを明らかにしました。 (有道)
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