2026/06/07

AIに相談しますか

 プロ野球読売ジャイアンツの監督が家庭内暴力の容疑で逮捕される事件が起きました。

 政治家や芸能人の個人生活に絡むスキャンダルには関心がありませんが、今回はDVというよりChatGPTをめぐる議論に発展したので、改めてこの問題を考えてみます。

 報道の範囲でしか分かりませんが、監督から暴力を受けた長女がChatGPTに相談し、そのアドバイスで児童相談所に連絡、警察が駆けつける騒ぎになった、ということのようです。今や、ChatGPTに絡むトラブルは日本でも海外でも珍しくなく、これが有名人ではなく、一般人の事件だったらニュースにもならず、まったく注目されなかったはずです。

 事件後に公表された長女の手紙には、自らの意向に反して父親が逮捕されたことへの驚きと戸惑いが書かれています。「こんな騒ぎになるとは思ってもいなかった」ということでしょう。児童相談所や警察が民事の家庭問題にどこまで介入すべきか、常に問われる難しい問題です。

 仮にChatGPTでなく、親しい友人や信頼できる大人に相談していたならば、どうなっていたか。「もう少し冷静になって話し合ってみたらどうか」などのアドバイスがあったかもしれません。いずれにしても、ChatGPTの答えが適切だったのか、今となっては何とも言えません。

 内閣府が20262月に実施した「生成AIの利用実態に関するアンケート」によると、利用者の2割超が毎日AIを使用。特に10代女性の524%が「悩み相談」の相手としてAIを利用しており、若年層における日常的なメンタルケアやアドバイスの手段として生成AIが定着しています。

 知り合いの研究者(注1)の話では、AI(人工知能)は、各情報に対する人間の評価を基に学習して、評価が高く、ユーザーが喜び、同意してくれる情報ほど「良い回答」として集約します。結果として、AIの回答は相手に話を合わせる方向へ傾いていくのです。

 AIへの相談は、悩みを打ち明けると「優しく受け止めてくれる」のが特徴。「辛かっただろうね」「あなたは悪くない」などの言葉に救われます。「何、バカな事をやっているのか」などと決して怒ったりしない。しかも24時間、いつでも話を聴いてくれ、秘密は絶対守ります。匿名のSNS上で悩みを打ち明けると、ひどい言葉を投げつけられたり、炎上したりする危険もあります。「AIなら傷つけられることはない」ということです。

 一方で、AIとの心地よい会話で引き出す回答は、現実の厳しさに目を背けることにもなります。AIが相談者に「寄り添ってくれる」のは、別に「心優しい」からではなく、顧客をつかんで、しっかり課金(相談料)して稼ぐビジネスのためです。

 ところで、私たちフードバンクが支援する家庭では、ChatGPTなどAIの悩み相談にどう向き合っているのでしょうか。ソスペーゾ多摩がアンケートを実施したこともなく、実態はよく分かりません。

 支援家庭の中には「仕事や病気」など悩みを抱え、経済的に苦しむ人も少なくありません。相談して頼れる親類や友人も少ない「ひとり親家庭」もあります。辛い時に人は相談相手を求めます。どうしてもChatGPTなどに相談したくなるでしょう。

 大人は「AIの危うさ」を承知で付き合うことができますが、子どもたちはAI情報を疑わずに受け入れてしまいます。ChatGPT相談やチャットに過剰にのめり込まないように、きちんと見守ってあげる事も大人の役割だと思います。    (有道)

(注1)AIではなく実在する人間。このコラムでは基本的にAI情報は扱わない。

2026/05/31

応援はTV観戦で

  サッカーのワールドカップ( W杯)北中米大会がいよいよ始まります。サッカーファンは待ちきれないでしょう。

 先日、友人らと会った時も、やはりW杯(注1)の話題で盛り上がりました。日本代表がどこまで勝ち進めるのか。日本が入る1次リーグF組は「オランダ、チュニジア、スウェーデン」といずれも強豪ぞろいで「死の組」と言われています。

 米大陸でのW杯ということで、どうしても「トランプ大統領(注2)と米国の物価高」の話に。このコラムで1か月ほど前に取り上げた「ワシントン桜祭り」を読んだ人がいて、「屋台の焼きそばが3,000円! アメリカはインフレがすごいとは聞いていたけど、とんでもない高さだな」とあきれていました。

 彼は根っからのサッカーファン。6月11日(日本時間12日)から始まるW杯で日本代表の応援に行くつもりでしたが、チケット代ばかりか、ホテル代や食費、航空運賃など、なにもかも、めちゃ高で予算を大きくオーバー、泣く泣く現地行きを諦めたそうです。日本戦の舞台となるテキサス州ダラスのホテル代が、交通の便が良い市内中心部だと安くても1泊300ドル(約47,000円)と聞いて、「さすがに腰が引けた」と言います。円安と物価高の影響をもろに受けた格好です。

 W杯のチケット料金は座種や試合のステージによって異なりますが、各種報道によると、今大会では、一般席(スタンダード)が200ドル(約31,000円)~。決勝トーナメント日本代表戦は一番安くて約490ドル(約76,000円)。決勝戦は最高1万ドル(約160万円)。人気が出てプレミアム料金ともなれば、一席だけで3万ドル(約470万円)以上にも跳ね上がると言われます。

 本当に「どうなっているの」と言いたくなりますね。フランスのレキップ紙は「狂気のチケット価格に世界中のサポーターが激怒」との見出し記事を掲載。「サッカーが持つ『庶民のもの』という性質は、完全に吹き飛ばされてしまった」と厳しく批判しています。

 私の知人に、もう一人、「米国の物価高」に泣いた人がいます。彼はサッカーではなく、米大リーグのファン。NHKBSの大リーグ中継で連日、ドジャース大谷翔平選手に声援を送る全国の何百万人(中高年多し)のうちの1人です。「大谷という100年に1度出るか出ないかのスーパーアスリートを、生きている間に一度自分の目で見たい」とずっと前から言い続けてきました。ところが、この前、会った時は「観戦ツアー料金を聞いて驚いた。もう手が届かないよ。楽しみにしていたけど諦めた」と肩を落としていました。

 大リーグのチケット相場もかなりのものです。リーグ全体のチケット料金が平均約30〜250ドル(約4,700〜40,000円)。チームや座席によってかなり差がありますが、ロサンゼルスドジャースのような人気チームや週末の試合では価格がぐんと高く、平均180ドル(約28,000円)を超えるようです。日本のプロ野球のチケットも決して安くはありませんが、米大リーグは日本の2-3倍以上と見ていいでしょう。

 それでもドジャーズの試合などは、球場は4万人、5万人の超満員となります。外野席の安いチケット(それでも10,000円以上)を手に入れてベースボールを楽しむアメリカの一般市民の姿があります。

 一部報道によると、今度のサッカーW杯には、日本から数千人規模のサポーターが応援に行くと予想され、外務省は「犯罪などに巻き込まれないよう」注意を呼び掛けています。熱心なサポーターはいるものです。

 一方で、最近の物価高に苦しむ大方の日本人は、W杯や大リーグの現地観戦など考える余裕もないでしょう。ましてや、私たちソスペーゾ多摩が食料支援する家庭となると、毎日の生活に追われて、それどころではありません。

 でも、W杯も、大リーグも、TV観戦で十分応援できます。パブリックビューイングもあります。特にNetflixが放映権を独占した今年3月の野球のWBCと違って、W杯は日本代表の試合を地上波、BSで観戦できるので、私のようなものには、ありがたいです。

 直前に迫ったスポーツ界最大の祭典、サッカーW杯を一緒に楽しむことにしましょう。         (有道) 


(注1)96年に及ぶW杯の歴史上、戦争当事国がホスト(開催)国となるのは米国が初めて。

(注2)FIFA(国際サッカー協会)は昨年11月、「FIFA平和賞」の創設を突然発表、トランプ米大統領が受賞した。

2026/05/17

クルーズ船で感染症

  地球上の「地の果て」はどこか、と聞かれれば、迷うことなく「南米大陸最南端のフエゴ島」と答えます。

 南緯54度、西経69度に位置するこの島は、1年中雪に覆われた2,000m級の山々が迫り、荒涼とした風景が広がります。夏でも強風が吹き荒れ、島の北側を大陸と隔てるマゼラン海峡は航海者にとって難所中の難所、昔から数々の船が難破し、「船乗りの墓場」と言われて来ました。周辺の島々にはペンギンとアザラシが群れ、さらに1000キロ南下すると、南極大陸に到達します。

 5月に入って「ハンタウイルス感染」のニュースを聞き、30年ほど前、この地を訪ねた時の記憶を想い起こしました。感染の舞台となったクルーズ船「ホンディウス」が出港したのが、このフエゴ島(注1)の街 ウシュアイア(注2)でした。

 南米アルゼンチンでは昨年から「ハンタウイルス・アンデス型」(注3)の感染が拡大していると伝えられており、今回の集団感染の報に「またか」と一瞬、不安が頭をよぎりました。4年前の新型コロナウイルス世界的流行(パンデミック)の記憶がまだ新しいからです。

 通信社の報道などによると、このクルーズ船は4月1日に28か国、約150人の乗客・乗員を乗せて、ウシュアイア港を出発。南極圏や大西洋を航海中に乗客の感染が確認され、9人が感染、疑い2人、3人が死亡する事態(JST5月14日現在)となりました。

「クルーズ船で集団感染」と聞くと、日本のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を思い出した人も多いはず。新型コロナウイルス感染の発生後、横浜港で乗客を長い間、船内隔離し、大量の2次感染者を出したケーズです。

 この反省を生かしたのか、今回の「ホンディウス」の各国対応はかなり素早かったようです。スペイン政府が乗客の下船受け入れを決め、5月10日、最終目的地のスペイン領カナリア諸島テネリフェ島で日本人一人を含む乗客全員が下船、検疫の後、それぞれ急派された航空機で本国に移送され、経過観察・隔離されたと言います。

 感染源は、クルーズ船乗客がフエゴ島で接触した陸上動物ともいわれますが、詳しくは確認されていません。世界保健機関(WHO)は、ハンタウイルスは潜伏期間が長いので警戒が必要としながら、各国内で感染拡大するリスクは低いとして冷静な対応を呼び掛けています。

 WHOが言う通り、今回の「ハンタウイルス集団感染」に私たちは過剰反応する必要はありませんが、「感染症への警戒を常に怠らず」との自覚を再認識する良い機会になったと思います。

 厚労省によると、新型コロナ感染症は今でも日本で年間推計3万5000人以上が死亡(2024年)しています。規模は縮小傾向、マスクをしている人も少なくなりましたが、決して「終わった感染症」ではない、ということです。

 2019年12月に最初の感染が確認された新型コロナウイルス禍による死者は。世界で推定1,590万人(WHO)に上ったとされます。日本に住む私たちも親族や知人を失い、失職、休職など経済活動の停滞は弱者の生活を直撃しました。私たちフードバンクが食料支援する家庭で進学を断念した子どももいました。

 あのような辛い経験は2度と繰り返してほしくない、特に子どもたちには経験させたくない、と誰もが思うでしょう。

 今回のハンタウイルス感染でも、世界中でSNSなどを通じて偽情報、偽動画・画像が流れ、不安を煽っています。困ったものです。偽情報に踊らされず、冷静な対応が求められます。      (有道)

(注1)西側ほぼ半分がチリ領。東側がアルゼンチン領。

(注2)世界最南端の街。古くは、日本の網走と同じく政治犯、重罪犯の流刑地。大きな刑務所跡が今も残る。30年前は人口3万人。今は観光、移住者が増えて8万人。

(注3)ネズミなど、げっ歯類動物が持つウイルス。感染すると、「ハンタウイルス肺症候群」を発症、重症化で呼吸不全を起こし致死率は40~50%に上る。

📷 ウシュアイアの街

📷 クルーズ船「ホンディウス」

2026/05/10

1日遅れの「こどもの日」

  GWも終わり近く、ソスペーゾ多摩のボランティアメンバーの一人が、個人的なつながりで支援を続ける家庭にプレゼントを届けました。

 以下は彼から届いたメールです。

 5月6日、近くのスーパーで「こどもの日」向けのお菓子袋詰めセットを見つけました。前日の売れ残りでしたが、約半額だったので迷わずゲット。私が個人的に支援する大家族に大急ぎで届けました。

 事前に買い求めてあった小さな「鯉のぼり」も一緒です。届け終えた後、ドア越しに聞こえる子どもたちの歓喜の声、耳に残ります。

 この子どもたちは1日遅れでも、思いもかけない「こどもの日」のプレゼントが嬉しかったのでしょう。これを聞いて、私もホッコリした気持ちになりました。

 ありがとうございました。     (有道)


安く、近く、短く

  最長12連休もありと言われた今年のGW。夏日や、突風が吹き荒れるところもあり、北海道稚内では雪も降りましたが、全国的には、さわやかな初夏の陽気に恵まれました。

 私たちが食料支援する子どもたちは、大型連休をどう過ごしたのでしょうか。お母さんが仕事で忙しく、なかなか遠くまで連れて行ってもらえない子もいます。

 今年のGWのキーワードは「安・近・短」だったとか。遊びに出掛けても「低予算で安く」 「なるべく近場で」 「日帰りで短時間」の人たちが多かったということです。あるTV局が今年は「ゴールデンウイーク」ならぬ「節約ウイーク」と伝えていました。

 大型連休をどう過ごしたか、いずれ、きちんとした社会動向調査の結果が出るはずですが、取りあえず、私の周辺の知り合いの人たちから話を聴いてみました。人数も限られた狭い世界での「調査」ですが、少しは参考になります。

 遠出したのは1家族だけ。東北の実家へ子ども連れで帰省、マイカーで2泊3日。 「夏は猛暑なので無理。旅行は今がチャンス。思い切って出掛けた」と言います。

 他は「隣県の屋外イベント(大凧まつり)を見に行った」 「北関東の景勝地を観光」 「近県に帰省し空き家となっている実家を掃除」 「都内デパート物産展で買い物(夫婦2人)」 「外食レストランは高いので、弁当持参で近場の公園へ」 「駅前の子ども祭り・フリーマーケットへ」 「自宅近くをひたすら散策」 「自宅にこもり溜まった家事を片づけた」 「いつもと変わらず仕事(私たちが寄贈を受ける青果問屋さん)」 という人もいました。

 東北旅行の家族を除き、共通しているのは「ほとんど日帰りレジャー」という点。若い世代の家族は「5月5日はこどもの日。泊りがけでどこかに連れて行きたかったのですが」と言います。ホテル代も、交通費も、食事代も、こうも高くなれば、宿泊旅行は考えてしまいますよね。今年のGWは、出掛ける先を探すのに悩んだ人が多かったはずです。

 「連休中の全体的な行動傾向」として「自宅でゆっくり過ごすという人が60%超」との調査結果(株式会社mitoriz)もあります。今は自宅にいても、ネット配信の映画やユーチューブなど娯楽も増え、「金もかけずに十分楽しめる」ということでしょうか。いわゆる「巣ごもり派」が半数以上も占めるのは、厳しい経済状況だけではなく、日本社会全体が「外向き」ではなく「内向き」になっているからかもしれません。

 大型連休終盤になると、TVニュースは決まって「高速道路渋滞」 「東京駅、羽田空港の混雑」の様子を取り上げます。他に取材するものはないのか、と言いたくなりますが、今回も東京駅新幹線ホームで、小学生の男の子が「美味しいものたくさん食べた。ジジとババからお小遣いもらった」と答えていました。これからは、TV局もこういう「狙い通りのコメント」をする子供を探し出すのに苦労するでしょう。故郷への帰省や家族そろって泊りがけ旅行も庶民には「高嶺の花」となる時代ですから。

 新型コロナウイルス禍以降、人々の休日の過ごし方がすっかり変わりました。今年の大型連休の人の動きを見ていると、その傾向がさらに強まりつつあるように感じます。    (有道)

📷 自宅近く駅前での子供祭り。多くの屋台が並び家族連れで賑わった。

2026/04/26

黄金週間も活動続けます

  今週から黄金週間に入ります。

 ソスペーゾ多摩は、5月5日(火)だけは青果市場が休みなので、活動をお休みします。

 そのほかは土曜日含め休まず、いつも通り活動を続け、子どもたちに食料を届けます。 

 カレンダーを見ると、今年は5月2日(土)から6日(水)まで5日間休日が続くので、お勤めの人たちは長期のお休みがとれそうです。今は暑くもなく最高の季節、各地の行楽地も家族連れで賑わうことでしょう。     (有道)


 

ワシントンの桜祭り

  新緑が美しい季節となりました。

 関東地方では花見シーズンもとっくに過ぎ、もう話題にもなりませんが、桜前線はまだ北海道を北上中です。日本の桜前線の終着地は北海道根室。今年の満開予想は5月8日ごろですが、それでも例年よりは1週間ほど早いそうです。

 少し前のことですが、仕事で米国駐在の知人から「ワシントンDCの桜祭りに行ってきた」とのメールが届きました。ワシントンの桜(注1)も有名です。日本から贈られたという3000本の桜が一斉にピンク色の花を咲かせ、見事な景観が広がります。今年は3月末に早々と満開になったそうです。全米桜祭りが催され、日本のニュース報道で観た人も多いでしょう。

 飲めや歌えやの宴会を楽しむ日本の花見と違って、米国人は桜並木の下を静かに散策するだけと聞いていましたが、最近はワシントンの桜見物もすっかり変わって、全米各地や海外から150万人の観光客が押し寄せる春の一大イベントになっているようです。

 知人によると、期間中には、日本文化を紹介する「ジャパンフェスタ」も開かれ、今年も日本の屋台が行列ができるほどの人気。焼きそばなど日本の定番メニューが並びましたが、「どれもすごく高くて、さすがに驚いた」と言います。焼きそば(普通盛り)1皿1720ドル(2,7003,200)、たこ焼き1(6個)16ドル(約2,500円)、おにぎり16ドル(約1,000円)だったそうです。

 アメリカは外食がべらぼうに高いとは前から聞いていましたが、「屋台の焼きそば3,000円」には、あ然とします。

 ニューヨークはどうなのか。日本でもポピュラーなメニューの価格を調べてみました。ラーメン12025ドル(約3,0004,000円)、回転ずし1皿2貫5ドル(約800円、1番安いネタ)。マックは1016ドル(約1,6002,600)もします。つまり回転寿司は10皿でも頼むと、最低でも8,000円。しかも、アメリカはチップが必要なので、これに1020%分を上乗せします。すべて日本の2倍から3倍と考えてみれば間違いないでしょう。

 今は円安。さらにワシントンDC、ニューヨークいずれも、裕福なビジネスマンにファンが多い日本食を例に挙げたので、価格が高いのは当然なのかもしれません。でも、飛行機に乗ってでも、回転ずしを食べに日本へやって来るアメリカ人の気持ちが分かりますね。

 米国はレストランの食事だけでなく、生活費全般、家賃が高く、新型コロナ禍の回復以降、ずっとインフレが続いています。2026年もトランプ関税や相次ぐ戦争により、物価高は止まりそうもない状況。日本と違って給料が高いから困らないだろう、と思ってしまいますが、一部報道によると、年収,000万円(約60,000ドル以上)程度でも、特に都市部では貯蓄が困難で「生活苦」を感じるケースが増えているのです。

 中流層でさえ厳しいとなれば、低所得者層はもっと深刻。「働けど働けどまともな生活ができない」といった悲痛な声も挙がっています。ここ2、3年、アメリカでも各地でフードバンクを利用する人が急増、連日、行列ができているとの報道がありました。

 「フードバンク発祥の地ならではの光景」などと言っている場合ではありません。米国は大国ながら、常に「光と影」を併せ持つ不思議な国ですが、今、その「影の部分」が拡大しているようです。この国はいったいどうなっているのか理解できません。

 迷走する現大統領が仕掛けた戦争で、世界中を混乱に巻き込んでいます。地球上の誰もが、先が見えず不安の中にあるように思えます。    (有道)

 注1)米国建国250周年を記念し、日本からワシントンD.C.へ新たに250本の桜が寄贈され、今年4月に植樹式が行われた。