つい先日、寄贈を受けた野菜の中に「かぼちゃ」がありました。
フードバンクとしては珍しい野菜。ありがとうございました。かぼちゃは日持ちが良く、青果会社も余さずスーパーなどに出荷するので、フードバンクには回って来ないのです。今回は注文の「行き違い」で、偶然にも余剰品が出たということです。ただ数が少なかったので、多く配ることができず、受け取った家庭はラッキーでした。
かぼちゃは夏の野菜か、秋の野菜なのか、気になったので調べてみました。参考資料によると、収穫の旬は7月~8月ですが、少し時間を置いて追熟させるので、美味しくて安く買えるのは9月-11月だそうです。「秋の味覚」と言っていいでしょう。
特に10月に注目されるのは、やはりハロウィーンの影響ですね。アメリカで秋の収穫の祭りに、かぼちゃでつくった魔除けのランタンを飾る風習があり、今は日本でも、この時期になると「かぼちゃランタン」や「かぼちゃのお菓子」が店頭に並びます。渋谷で仮装した若者が大騒ぎするのもハロウィーンです。
かぼちゃ料理と言えば、「煮物」が真っ先に思い浮かびます。砂糖と醤油の味がしっかりと染みた「かぼちゃの煮物」は和食料理の定番。かぼちゃはこのほか、天ぷら、スープ、炒め物、コロッケ、サラダなど和・洋・中、さらにはスイーツと、どんなメニューにでも使えます。
でも、若い世代には、食材としてのかぼちゃの魅力は「いまひとつ」だとか。食品メーカーの各種調査を見ると、まず若い世代は「煮物」を食べる人が減っています。煮物は「お年寄りの食べ物」としてのイメージが強く、「おしゃれ度」も低いということでしょう。ポタージュなど洋風メニューがありますが、これも「インスタントやレトルト商品で十分」という人が多く、かぼちゃを、まるごと1個買って行く人は珍しいようです。
「皮が硬く、包丁を入れると滑って手を切る」など、調理に手間がかかることも敬遠される大きな理由なのでしょう。だからスーパーで並んでいるのは、大半が「カットもの」「冷凍もの」です。
ところで、かぼちゃの原産地はどこか、ご存じですか。調べて見たら、中南米でした。前にも紹介した、「トマト」「ジャガイモ」「トウモロコシ」も南米原産。アンデス原産の作物に人類がどれほど助けられたか、つくづく思います。
日本には16世紀に渡来したポルトガル人が鉄砲と一緒に伝えたと言われます。「種子島の鉄砲」は有名ですが、かぼちゃは意外と知らない人が多い。
これについては、私にも懐かしい思い出があります。中学生の時でしたか、何かの本で読んで、「ポルトガル人がカンボジアから運んで来た野菜なので、『かぼちゃ』という名前になったらしい。これ本当だってば」と自慢げに紹介したところ、「ほら話だろう。アハハハ」と誰にも信じてもらえませんでした。
聞いたことがあると思いますが、かぼちゃは戦中、戦後の食糧難の時代、お米の代わりに日本人の命をつないだ貴重な食料でした。①栄養価が高く米の代用食となり得る②栽培が簡単で、寒冷地、痩せた土地でも育つ③保存性が高く、実だけでなく茎や葉も食べられる—。日本人は大変お世話になったのです。
子どものころに毎日かぼちゃばかり食べたので、「かぼちゃの顔は二度と見たくない」と言う人が私の親の世代には結構いました。「悲しくて辛い時代の食べ物でなく、ハロウィーンで子どもたちが、かぼちゃのケーキやプリンを食べられる今の時代を幸せに思う」という年配者の言葉がよく分かります。
私たちソスペーゾ多摩が配る野菜ひとつとっても、それぞれ長い歴史があるんですね。かぼちゃは、レシピや調理方法を工夫すれば美味しく食べられる野菜。価格もそれほど高くないので、皆さんもお弁当などの食材として使ってみたらいかがですか。歴史を考えながら食べると一味違うかもしれませんよ。
日本では12月の「冬至」に、かぼちゃを食べる伝統があります。 (有道)
📸 ホクホクして美味しい
📸 和食の定番です
📸 華やかなハロウィーンの飾り
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