この標題を見ただけで、思わず食べたくなる人もいるでしょう。
炊きたての温かいご飯に、生卵と醤油を混ぜ合わせ、一気に口に運びます。卵の濃厚な味と醤油の塩味、ご飯の美味さが加わり、何とも言えない食感。たまらないですね。 「卵かけご飯」を食べると「日本人に生まれてよかったあ~」と、つくづく思います。
シンプルかつ簡単、日本独自の伝統メニューと言っていいでしょう。日本では国民の8割が「卵かけご飯が好き」という統計結果を見たことがあります。最近では専用の醤油も売られ、トッピングも含めて様々な食べ方が紹介されています。
海外では生卵を食べる習慣がないため、「卵かけご飯」を食べる人はほとんどいませんね。生卵独特の、あの「トロトロ感」が外国人には苦手なようです。でも最近は、観光客を中心に「日本でしか食べられない卵かけご飯」のファンが増えているとか。
行ったことはありませんが、東京には専門のレストランもあって「外国人客にも人気」と聞いています。
この「卵かけご飯」、これからは、今までのように気軽に食べられないかもしれません。
卵の価格高騰が止まらないのです。「JA全農たまご」によると、鶏卵価格2025年末から上昇傾向が強まり、2026年2月に入ると、東京地区のMサイズ鶏卵の卸売基準値が1キロ当たり310円を超えて、店頭では1パック300円~360円で売られ、2023年の「エッグショック」を上回る高値水準にあるとのことです。
価格高騰は①膠原病性鳥インフルエンザの流行による殺処分が相次ぎ産卵鶏の数がまだ回復しない、②飼料やエネルギー価格の高騰で生産コストが増大、③昨年夏の猛暑で鶏がストレスを受け産卵数が低下する「夏バテ」の影響—など、国内外のいくつかの要因が背景にあるようです。
今後、予防ワクチンなどの開発が進んだとしても、鳥インフルエンザが消滅するとは考えにくく、飼料価格も安定する見通しがないとすれば、卵の価格が元に戻るのは期待薄と見た方がよいでしょう。飼料価格の高騰は、前にウクライナ戦争問題を取り上げた時に何度か指摘しています。
実は、私たちは以前に鶏卵を配布していたことがあります。ある生協団体から千葉産鶏卵を毎週欠かさず相当数寄贈いただき、子どもたちに届けていました。お母さん、子供達からめっちゃ喜ばれましたね。今考えると夢のような話です。
それが停止したのは2023年、卵の値段がどんどん上がった第1次エッグショックの時です。生協団体から「鶏卵の生産が落ち込み、フードバンクに回すことができなくなった」ということでした。
フードバンクにとって卵は野菜、果物と並ぶ生鮮食品。定番の目玉焼きに始まって、卵焼き、ゆで卵、オムライス、卵サンド、親子丼、かつ丼など卵料理はどれも子どもたちの大好物です。ハンバーグやチャーハンにも欠かせません。鶏卵の配布が途切れて本当にがっかりしました。
その後、流通・食品業界に顔が広い仲間の一人が、鶏卵業者に卵の提供が可能かどうか問い合わせたところ、いずれも「生産者も四苦八苦で、余剰分を確保するどころでない。本当に申し訳ないが」と苦しい事情を伝えられました。
鶏卵が私たちの配布食品リストに復活するのは、もう難しいでしょう。フードバンクとして子どもたちに申し訳なく思います。
そもそも、鶏卵ばかりか、企業から寄贈を受ける食品の品目幅(特に主食系)が、かなり減っています。原材料価格の高騰により生産コストが上昇したことで、メーカーが生産管理を強化、余剰品が出なくなったと思われます。
企業ばかりか、社会全体に余裕がなくなっているように感じます。モノばかりか、人の心も…。いずれ、フードバンクの活動も見直す時期が来るような気がしています。 (有道)
📸写真撮影のために貴重な卵を使って「卵かけご飯」。この次、食べられるのはいつになることやら。
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