この1年の世相を表す「今年の漢字」は「熊」が選ばれました。
私たちフードバンク関係者や子育てに追われる親たちの中には、「やっぱり『米』か『高』じゃないの」と言う人もいます。「米の価格高騰」「物価高」に苦しんだ1年でした。それでも「熊」が選ばれたのは、各地で相次いだ熊被害が、いかに日本社会に衝撃を与えたか、ということでしょう。
今年も残すところ、あと僅か。「年越し」はどう過ごしますか。
「年越しそば」「神社へ初詣」「まだ仕事中」「飲んで歌って食べて騒ぐ」「友達とチャット」「オンラインゲーム」「テレビを観る」「一人で酒を飲む」「寝ている」…。人さまざまです。
私は、といえば、「除夜の鐘を聞きながら」ということになりそうです。除夜の鐘を108回撞くのは「108の煩悩を払い清めるため」と言われます。人間は「欲の塊(かたまり)」とはよく言いますが、煩悩は108種類もあるんですね。仏教の世界は奥が深いです。
もはや「枯れ枯れ」の私には、煩悩などほとんど残っていませんから、除夜の鐘も二つ三つ聞くだけで十分、さっさと寝てしまえばいいのですが、大晦日はテレビでNHKの「ゆく年くる年」を観ます。
午後11時45分、「紅白歌合戦」が「蛍の光」とともに終了すると、TV画面が瞬時に「ゆく年くる年」へと切り替わります。静寂に包まれた古刹の境内、「ゴ~ン」と重々しく鳴り響く除夜の鐘、 僧侶の読経の声、灯篭に灯がともり 雪の参道を踏む参拝客の足音⃛……。
続いて北から南まで日本各地の寺社仏閣、または教会の年越し風景がリレー中継されます。時計の針が午前零時を過ぎると、今度は照明も明るく、東京の浅草寺など参拝客で賑わう初詣風景に。そこで男女のアナウンサーが「新年明けましておめでとうございます」と元気よくあいさつ、新年が始まる、という流れです。誰が考え出したのか、見事な演出だなと思います。
紅白の華やかなステージから一転、荘厳な日本の伝統の世界に身を置くことで、居住まいを正して1年を振り返り、新たな年の幸せを願うということでしょう。日本ならではの年越し風景です。そもそも海外の年越しは、教会の鐘が打ちなされ、威勢よく花火を打ち上げる賑やかな「カウントダウン文化」ですからね。
「ゆく年くる年」は1955年放送開始と言いますから、かれこれ70年間、変わることなく、この風景が続いてきたことになります。世の中、「変えるもの」と「変えてはいけないもの」がありますが、「繰り返し」もまた大事なものです。
この1年、災害や、自らの、または家族の病などに見舞われながらも、なんとか困難を乗り越え、家族一緒に無事、新年を迎えることができた…。そこに私たちは安寧を感じる、ということでしょうか。
ソスペーゾ多摩のボランティア活動は12月30日で終了、新年は1月6日から始まります。この1年、私たちの活動を支えてくれた皆々様に深く感謝申し上げます。良い年をお迎えください。 (有道)
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