フードバンクが配る食品は子どもたちの口にどのように届くのか。現場の様子が知りたくなり、支援先の施設をお訪ねしました。
東京都稲城市矢野口の松葉保育園。多摩川に近い住宅街に建つ同保育園は、周囲に緑地も多く、恵まれた環境にあります。園児140人。施設も充実して、地域では人気の保育園として知られています。
保育事業の傍ら、地域貢献の一環として続けているのが子ども食堂です。毎月1度、15世帯に計30食の食事を提供。ささまざまな理由で食事を必要とする母子、父子家庭らが対象です。
ここではスペースの問題もあって、子どもたちが集まる食堂形式ではなく、今はお弁当を提供しています。 保育園まで取りに来られない人たちには、園長や地元の民生委員らが手分けして配達。地域貢献のため、支援対象者には高齢者も一部含まれますが、民生委員の推薦で「食事の助けがどうしても必要な人」に限定し、支援対象を無制限とする「誰でも方式」はとっていないとのことです。
子ども食堂のほかに毎週、食品配布(パントリー)も開催、私たちが届ける野菜、果物などの食材、お菓子などを20家庭ほどに渡しています。伸び盛りの子どもがいる世帯を中心に、こちらも喜ばれているそうです。
キッチンをのぞくと、ちょうど4人ほどの調理スタッフがお弁当の盛り付けの真っ最中でした。献立は次の通り。
・きのこご飯(しめじ、まいたけ、鶏肉、油揚げ、あさつき)
・鮭の海苔から揚げ(鮭、青のり)
・サラダ(サニーレタス、プチトマト)
・ひじき煮物(ひじき、人参、いんげん)
・おさつバター(さつま芋、バター)
私も試食させていただきましたが、これがまた美味しいのですね。季節を感じさせる「きのこご飯」に、鮭のから揚げや、ひじきの煮物などが並び、見た目も豪華。同保育園のキッチンで専門スタッフがメニューを考え、調理するので、母さんや子どもたちには大変な人気だとか。
ソスペーゾ多摩が届けた野菜や果物を上手に調理、利用しているのが分かり、嬉しい気持ちになりました。「特に人参など根菜類、トマト、それと豊富な果物はとても助かっています」(スッタッフの話)
同保育園のお弁当支援について、富岡純子園長は「皆で一緒に食事をする食堂はお母さん方や子どもたちの交流の場にもなる」と、その効果を認めつつ、一方で「お弁当は各家庭を訪問し、母子たちと直接話ができるなど見守り効果もあります」と話しています。
キッチンで調理スタッフの方々が忙しく立ち働いているのを見て、「保育園児に食事を用意する本来の仕事のほかに、子ども食堂の30食のお弁当を用意するのは大変なことだ」と思いました。「月に1度が精いっぱい」という富岡園長の説明も分かります。
同保育園の子ども食堂は、調理設備、スタッフなどかなり恵まれている方だと思いますが、やはり園長はじめスタッフ全員の子ども支援に対する熱意を強く感じました。
最後に、保育園にお弁当を取りに来た母子にお会いしました。お弁当とゼリーの入ったお菓子の袋を嬉しそうに抱えて帰る女の子の笑顔が印象的でした。 (有道)
B.jpg)