2026/09/13

雨々降れ降れ もっと降れ~

  「これまで経験したことがない大雨。命の危険が迫っているため身の安全を確保する行動をとってください」「線状降水帯が発生する恐れがあります」。

 TVニュースは連日、この呼び掛けを何度も繰り返しました。濁流が渦巻く川、土砂崩れでつぶれた家々、冠水した田畑、床上まで浸水した街の商店街、大きく水しぶきを上げて走る車、水没したアンダーパス・・・。

 6月の九州北部、7月の熊本に続いて、8月から9月にかけては千葉、北陸、東海、関東と全国で豪雨被害が続きました。過去に何度も豪雨被害を見ていますが、今年のように様々な場所でゲリラ豪雨が連続して発生するのは初めてです。地球温暖化による様々な要因が複雑に絡み合って発生しているようですが、本当に「どうなっているの」と言いたくなります。

 今年の日本国内での年間総雨量や大雨発生回数が「過去最高」かどうかは、まだ年半ばなので公式発表がありませんが、気象庁によると、局地的な大雨としては観測史上最大(過去最高)の記録を更新する事例が相次いで発生していると言います。気象庁の異常気象分析検討会でも「過去の経験や常識が通用しづらくなってきた」と指摘されているそうです。やはり今年は「異常な夏」なのでしょう。

 豪雨と言えば、若い時分に長く暮らしていたフィリピンを思い出します。熱帯性気候のフィリピンでは、6月から11月にかけての雨季は、午後には必ず熱帯特有の「スコール」に見舞われます。滝のように音を立てて、叩きつける激しい雨ですが、短時間で過ぎ去るので、スコールの後は一瞬涼しくなって気持ちがいいものです。

 「南国のスコールとはこういうものか」と初めて知り、これに比べると「日本の雨は違うなあ」と思ったものです。

 ところが、今夏の連続豪雨を見る限り、日本もフィリピンと同じ「熱帯気候帯」に入ったのではないか、と考えてしまいます。

 日本は雨の恩恵を受けて、世界でもっとも豊かな水資源に恵まれる国と言われます。ただ急峻な山国であるため「暴れ川」が多く、毎年のように台風シーズンになると、大きな被害が出ます。有史以来、「治水」が常に為政者の課題でもありました。日本人にとって水は昔も今もずっと怖い存在なのです。 

 それでも、豊富な水をもたらしてくれる雨は、人が生きていく上で、なくてはならない大事なものです。自然をかたちづくり、生活や文化の一部でもあり、日本人は雨とともに生きて来たのですね。

 その証拠に、日本では雨を歌った楽曲が多いように思います。「あんた古過ぎる」と笑われそうですが、あえて選んでみると、童謡では「あめふり」(北原白秋作詞、中山晋平作曲)が有名です。

 あめあめふれふれ かあさんが じゃのめでおむかえ うれしいな。 ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン

 カラオケの人気上位は、徳永英明の「レイニーブルー」、恋音と雨空(AAA)、中西保志「最後の雨」だとか。洋楽では私の知るところ、「悲しき雨音」(カスケーズ)、「雨に濡れても」(B.J.トーマス)、「雨を見たかい」(C.C.R)。

 雨が多い日本の方が、洋楽よりも雨の歌が多い感じがします。しかも雨とともに失恋や大事な人を想うイメージが強く、雨をロマンチックなものととらえる傾向もあります。

 演歌も「長崎は今日も雨だった」「氷雨」など名曲が数多くありますが、昭和の人間としては、やはり、これしかないでしょう。

 八代亜紀の「雨の慕情」(阿久悠作詞 浜圭介作曲)

 サビで繰り返す「♪雨々ふれふれもっとふれ~♪」というフレーズ。別れた人への切なく、熱い想いとともに「雨よもっと降れ」と願う情念の世界。日本人( 昭和世代だけか?)の心をつかみます。

  心が忘れたあのひとも
 
膝が重さを覚えてる
 
長い月日の膝まくら(注1
 
煙草プカリとふかしてた
 
憎い恋しい 憎い恋しい
 
めぐりめぐって今は恋しい
 
雨々ふれふれ もっとふれ
 
私のいい人つれて来い
 
(繰り返し)

 私の住む地域も連日の雨で、外出の予定はほぼキャンセル。降りしきる雨を窓から眺めながら、地球温暖化のこと、子どもたちのこと、フィリピンのこと、今は亡き八代亜紀のことなど、つれづれ考えながら時間を過ごしました。

 でもフードバンクのことは忘れず。雨具で完全武装して作業に出掛けました。車はアンダーパスを避けて迂回路を。ソスペーゾ多摩のメンバーも皆、大雨に関係なく、いつも通り作業に来てくれました。ありがとうございました。

 天気予報を見ると、まだまだ雨が続きそうです。9月後半から10月の雨量は「平年並みか、やや多い程度」との長期予報。でも、どうなるか分かりません。    (有道)

 1)母子、恋人間で見られる甘え、愛情行動のひとつ。最近は恋人同士でも①ベタベタせずに離れて座る②お互いスマホが見づらい–などの理由で「減少傾向にある」との調査報告もある。 

📸冠水した道路で車が立往生

 📸優しい雨、赤い傘で誰を待つのか・・ 

📸「雨の慕情」の宣伝ポスター