すさまじい暑さが続く今夏は、多くの野菜が不作に見舞われています。高温、少雨、そして一部地域では局地豪雨が相次ぐ異常気象、これでは野菜や果物がまともに育つわけがありません。
都内のスーパーでは、キュウリ、トマト、ナス、ピーマンなどが例年に比べ、軒並み1-3割ほど値上がり、小ぶりで、色づきの悪いものも目立ちます。
農作物の不作は、私たちフードバンク活動にも影響を与えます。農家や問屋さんのご厚意を受けて「形が悪い」「キズがある」「少し日数が経過」などの理由で、まだ食べられても商品として売れない「余剰青果」を無償提供してもらうのがフードバンク。不作となると、この余剰青果が減ってしまい、結果として私たちフードバンクへの供給も少なくなるという構図です。
生活に苦労する家庭では、物価高騰を受けてスーパーでの買い物を切り詰める人が多く、やむなくフードバンク支援に頼ろうかという時に、フードバンクからの提供が減るのは本当に辛い話です。農家や青果問屋さんの責任でもなく、悪いのは「お天気」ということになりますが、実はこの異常気象を招いたのは、温室効果ガスを排出し続けた人類の責任なんですね。
不作の「果菜類」の中でも、特にトマトの出来が悪いといいます。産地からの報告によると、トマトは葉や茎が枯れて実がブヨブヨになったものもあるそうです。トマトは高温多湿に弱い作物です。原産地が南米アンデスだからでしょうか。
報道によると、例年8月下旬は、産地リレーにより東北、北海道産のトマトが首都圏の店頭にも並びますが、今年は北海道、東北も猛暑の毎日で不作になったそうです。トマトは子どもたちに人気の野菜です。今年は食べさせたくても、ほとんど届けることができないのが現状です。
このトマト、日本でも今では「人気の野菜ベストスリー」に入るほど広く食べられていますが、昔の日本人の食べ方はもっぱら「生食」でした。
そういえば、私も子どもの頃、夏の暑い日に、畑からもぎたてのトマトを丸かじりしたのを憶えています。どこか青臭く、酸っぱく、野生の味がしたものです。母親は来客があると、冷やしたトマトを切って、砂糖をかけて茶菓代わりに出していました。トマトは「野菜」ではなく、「果物」だったのですね。
その後、欧風料理の普及とともに、日本でもスパゲッティ、ピザ、煮込み料理、スープ、ソース、もちろんサラダの材料として家庭料理にも広く使われています。因みにアメリカは、トマトよりもケチャップ文化ですよね。
私自身、時々、スパイスカレーをつくりますが、トマトはたっぷり使います。イタリアン、エスニック料理とも香辛料とトマトは欠かせません。
中でも、朝食の目玉焼きはトマトと一緒に焼きます。アフガニスタンを旅していた時によく食べたものです。中東の一部諸国で、目玉焼きはこのスタイル。卵にトマトの甘さが加わって、なかなかの味です。
まさにトマトは「煮てよし、焼いてよし」の素晴らしい野菜です。
今夏は私もスーパーの買い物に行って、トマトやキュウリなどは買い控えでした。来年以降も猛暑が続くとなると、青果はまた不作になるのでしょうか。店頭から消えることはなくても、価格がさらに高騰する恐れはあります。米ばかりか、魚なども。
日本の食卓はどうなっていくのでしょうか。とても心配です。 (有道)
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