2026/04/26

ワシントンの桜祭り

  新緑が美しい季節となりました。

 関東地方では花見シーズンもとっくに過ぎ、もう話題にもなりませんが、桜前線はまだ北海道を北上中です。日本の桜前線の終着地は北海道根室。今年の満開予想は5月8日ごろですが、それでも例年よりは1週間ほど早いそうです。

 少し前のことですが、仕事で米国駐在の知人から「ワシントンDCの桜祭りに行ってきた」とのメールが届きました。ワシントンの桜(注1)も有名です。日本から贈られたという3000本の桜が一斉にピンク色の花を咲かせ、見事な景観が広がります。今年は3月末に早々と満開になったそうです。全米桜祭りが催され、日本のニュース報道で観た人も多いでしょう。

 飲めや歌えやの宴会を楽しむ日本の花見と違って、米国人は桜並木の下を静かに散策するだけと聞いていましたが、最近はワシントンの桜見物もすっかり変わって、全米各地や海外から150万人の観光客が押し寄せる春の一大イベントになっているようです。

 知人によると、期間中には、日本文化を紹介する「ジャパンフェスタ」も開かれ、今年も日本の屋台が行列ができるほどの人気。焼きそばなど日本の定番メニューが並びましたが、「どれもすごく高くて、さすがに驚いた」と言います。焼きそば(普通盛り)1皿1720ドル(2,7003,200)、たこ焼き1(6個)16ドル(約2,500円)、おにぎり16ドル(約1,000円)だったそうです。

 アメリカは外食がべらぼうに高いとは前から聞いていましたが、「屋台の焼きそば3,000円」には、あ然とします。

 ニューヨークはどうなのか。日本でもポピュラーなメニューの価格を調べてみました。ラーメン12025ドル(約3,0004,000円)、回転ずし1皿2貫5ドル(約800円、1番安いネタ)。マックは1016ドル(約1,6002,600)もします。つまり回転寿司は10皿でも頼むと、最低でも8,000円。しかも、アメリカはチップが必要なので、これに1020%分を上乗せします。すべて日本の2倍から3倍と考えてみれば間違いないでしょう。

 今は円安。さらにワシントンDC、ニューヨークいずれも、裕福なビジネスマンにファンが多い日本食を例に挙げたので、価格が高いのは当然なのかもしれません。でも、飛行機に乗ってでも、回転ずしを食べに日本へやって来るアメリカ人の気持ちが分かりますね。

 米国はレストランの食事だけでなく、生活費全般、家賃が高く、新型コロナ禍の回復以降、ずっとインフレが続いています。2026年もトランプ関税や相次ぐ戦争により、物価高は止まりそうもない状況。日本と違って給料が高いから困らないだろう、と思ってしまいますが、一部報道によると、年収,000万円(約60,000ドル以上)程度でも、特に都市部では貯蓄が困難で「生活苦」を感じるケースが増えているのです。

 中流層でさえ厳しいとなれば、低所得者層はもっと深刻。「働けど働けどまともな生活ができない」といった悲痛な声も挙がっています。ここ2、3年、アメリカでも各地でフードバンクを利用する人が急増、連日、行列ができているとの報道がありました。

 「フードバンク発祥の地ならではの光景」などと言っている場合ではありません。米国は大国ながら、常に「光と影」を併せ持つ不思議な国ですが、今、その「影の部分」が拡大しているようです。この国はいったいどうなっているのか理解できません。

 迷走する現大統領が仕掛けた戦争で、世界中を混乱に巻き込んでいます。地球上の誰もが、先が見えず不安の中にあるように思えます。    (有道)

 注1)米国建国250周年を記念し、日本からワシントンD.C.へ新たに250本の桜が寄贈され、今年4月に植樹式が行われた。