2025/06/29

暑中お見舞い申し上げます。

 連日、酷暑が続いています。

 2、3年ほど前までは「うだるような暑さ」とよく言われましたが、最近はTVニュースでも「猛烈な暑さ」「体温を超える危険な暑さ」、時には「命にかかわる暑さ」とまで言うほどです。

 私たちが子どものころは、海や山で真っ黒になって遊ぶ夏休みを心待ちにしていましたが、この暑さでは子どもたちも思う存分、外で遊べないでしょう。

  猛暑が集中豪雨とセットで襲ってくるので、各地の花火大会も中止が相次ぎます。以前は「暑い暑い」と言いながらも、浴衣姿でかき氷を食べながら、夏を楽しく過ごしたものでしたが、最近は「日本の夏」も楽しさが失われつつあるような気がします。


 先日、飲み友達の集まりで「夏の甲子園」が話題となりました。

 「この猛暑で高校野球は大丈夫か。休養日を設け、開始時間など工夫もしているが、もう限界だよなあ」

 そこで出てきたアイデアです。

①甲子園を屋根付き、エアコン付きの球場に改修する。

②会場を稚内市営球場などへ移す。旭川のスタルヒン球場でも良い。

③開催時期を11月ごろに変更し「冬の甲子園」とする。

④いっそのこと、夏は廃止し春だけにする。夏の甲子園は歴史的遺産として記憶に残す。

 

 さて、私たちのフードバンク、猛暑の中、なんとか活動を続けています。

子どもたちに届ける食品は、特に野菜、果物などは暑さで傷みやすいので集荷とほぼ同時に配達。屋外の作業が多いので、熱中症対策にも十分気をつけます。エアファン付きジャケットを着てくるメンバーもいます。

 作業は素早く、短時間で。無理は禁物。ボランティア活動で倒れたら元も子もありません。

 子どもたちには申し訳ありませんが配達を休むこともあります。ご了承ください。(有道)

 

[お詫びと訂正] 前回「トウモロコシの話」で取り上げた長野県信濃町の「とうもろこし街道」ですが、正しくは「もろこし街道」の誤りでした。お詫びして訂正します。信濃町によると、今季は7月末ごろから直売所が立ち並ぶそうです。

2025/06/25

トウモロコシの季節

  いつもお世話になっている青果問屋さんから「これ、子どもたち食べるかな」と、トウモロコシの寄贈を受けました。埼玉県産だそうです。ありがとうございました。

 本数に限りがあったので、すべての子どもたちには配ることができませんでしたが、受け取った子たちはラッキーでした。

 今ではスイートコーンと呼ぶようですが、トウモロコシは代表的な夏野菜の一つ。この時期になると、札幌の大通公園ではトウモロコシ屋台(スタンド)から焼きトウモロコシの香ばしい匂いが漂い、初夏の風物詩となっています。

 米、小麦と並ぶ世界3大穀物の一つであるトウモロコシは、新大陸の原産。コロンブスが欧州に持ち帰り、そこからポルトガル人の手を経て喜望峰を回りアジア方面に伝わったとされます。極東の遠隔地日本にまで伝来したのは16世紀ともいわれます。

 統計によると、このトウモロコシ、食用とともに家畜の飼料としても多く利用されており、人類はこの穀物にどれだけ救われていることか、本当にありがたい存在ですね。

 私自身も子どもの頃は、ざるに山盛りの茹でたトウモロコシをお腹いっぱい食べたものです。価格も安かったのか、我が家ではトウモロコシが半ば主食だったのでしょう。

 お米が高騰の今、「フードバンクでもお米の代わりにトウモロコシを配ろうか」と話したりしますが、いずれ冗談として笑っていられない時代が来るかもしれませんね。

 皆さん、ご存じとは思いますが、長野県信濃町の「とうもろし街道」には新鮮なトウモロコシの直売所が並びます。(有道)

2025/06/22

ご飯をお代わり

  お米の価格高騰がいつ落ち着くのか、依然として先行きが見えませんが、ソスペーゾ多摩は先日、お米を子どもたちに届けました。

 昨年暮れに企業や個人の方々から寄贈されて、倉庫に保管していたもので、政府の備蓄米とは違います。今回は5kg入りのほかに10kg入りの袋も配りました。

 お米を受け取ったシングルマザーからのメッセージです。

 「この時期に10キロものお米をいただくなんて信じられないです。小学生の息子がご飯をお代わりするんですよ」

 この男の子は、お米が高いのを知って、それまではご飯のお代わりを遠慮していたのでしょうか。子どもは大人が考える以上に、自分の家のことを分かっているんですね。まだまだ子どもだと思っている小学1年、2年生でも家庭の事情を実によく観察しています。これには驚かされることが多いです。

 お米をもらってお母さんが喜ぶのは理解できますが、子どもが喜ぶなんて、なんとも複雑な気持になります。子どもは家計や食べ物の心配などせずに遊びに夢中のはずなんですが、今の世の中、どうなっているのでしょうか。

 以前、「お米を買ったことがない」と失言して辞めさせられた大臣がいました。この方に、男の子の話を聞かせてみたいところですが、まあ話しても無駄でしょう。(有道)

2025/06/18

雨ニモマケズ

 梅雨の季節に入りました。「ジメジメ、うっとうしい」と嫌がる人も多いようですが、梅雨は米づくりには「恵みの雨」。梅雨から真夏へと続く高温多湿の気候があるからこそ、日本人は古来からお米を主食としてきたのですね。

 ところが、近年は「線状降水帯が発生した」などと梅雨も豪雨被害が相次ぎ、「これから日本の気候風土はどうなるのだろう」と不安が増すばかりです。

 私たちフードバンクの活動でも梅雨の季節は難敵です。大量の食料を集めて、子どもたちに配るのは、大半が屋外での仕事。ソスペーゾ多摩は、近くの青果問屋さんから週に何回か大量の果物、野菜を分けていただき、その日のうちに子どもたちに配っています。

 りんご、みかん、柿、桃、柿、きゅうり、トマト、ニンジン、ナス、バナナなど。

屋外の集積場で、いただいた野菜・果物を仕分けし、車に積み込ます。雨の日は大変です。積まれている段ボールがびっしょり濡れて底が抜けてしまいます。そこで乾いた段ボールを持ってきて、ひとつひとつ詰め替えることになります。

 青果問屋さんでの集荷は4人のボランティアが交代で担当していますが、皆さん身体を濡らしながらも黙々と作業を続けます。

 美味しい果物や野菜を無償で提供してくれる業者の方々に感謝しつつ、子どもたちのために「雨ニモマケズ」。

 ありがたいですね。 (有道)


 

2025/06/15

食の支援講座開く

  「フードバンク活動を知ろう」をテーマに「食の支援講座」( 主催:多摩ボランティア・市民活動センター)が先日、523日に多摩市の同センターで開催されました。

 講座には多摩市および近郊の市民ら18人が参加。静岡でフードバンクを広く運営する認定NPO法人Popolo事務局長鈴木和樹氏が講演し、日本の食料事情について詳しく解説してくれました。その上で「食品ロスと貧困問題は重大な社会的課題」と指摘、「もったいない精神」の下に「フードバンクの役割が今後、さらに重要となるだろう」と訴えました。

 鈴木氏は静岡県内でのフードバンク活動の実情も紹介し、2011年に始めた取り組みが今、大きく育っており、「食料支援の一方で生活上の悩み事相談も受けるなど、地域支援の輪を広げていきたい」と抱負を述べました。

 この後、ソスペーゾ多摩の吉岡美香代表が、多摩市を中心とするフードバンク活動の状況について話しました。

 昨今の経済格差拡大の実態を受けて子どもへの食支援に対する関心は高く、会場では熱心にメモをとる姿も見られました。

 今回の講座をきっかけに、私たちソスペーゾ多摩への支援がさらに広がるよう願っています。


2025/06/12

令和の米騒動(2)

   困窮家庭が喜ぶのは何と言ってもお米です。お米さえあれば、わずかな副食で一応お腹を満たすことができます。食べ盛りの子どもを何人も抱えながら「お米が買えない」というお母さんの切実な声を聞くと、胸が傷みます。

 なぜ米不足、高騰が続くのか。異常気象が要因の一つとも言われます。諸外国でもコメ不足が起きているのでしょうか。アジア諸国では時折、異常気象も含め各国独自の要因によりお米など農産物価格が複雑に変動します。でも、お米を主食とするタイ、ベトナム、フィリピンなどでは今年、日本と同じく異常気象に悩みながら、お米不足、高騰は伝えられていません。

 となると日本のコメ不足は気候よりも別の要因があると言えそうです。子どもが主食のお米を満足に食べられない国は、発展途上国と言われても仕方ないでしょう。(有道)

2025/06/09

令和の米騒動(1)

  先日、TBSテレビの報道番組「NEWS23」が、お米の価格高騰がフードバンクの活動に深刻な影響を与えていると伝えていました。育ち盛りの子どもを抱える母親は自分の食事を1日2回に減らしているとのレポートもありました。他の報道でも、子ども食堂の中には、お米を確保できずに活動を中止、または食事のメニューをご飯からパンや麺類に変えざるを得ないところもあると聞きます。 

 私たちソスペーゾ多摩は企業、個人から昨年来、寄贈されたお米の在庫がまだ残っており、量を抑えつつ各家庭に配り続けています。比較的恵まれた環境にあり、今も相当の無理をして寄贈を続けてくださる企業、個人の方に支えられ、感謝するばかりです。

 新米が出回る今年11月ごろには価格がやや下がるとの観測もありますが、以前の価格に戻るのは無理でしょう。私たちも、これまで同様に寄贈を受けるのは難しく、いずれお米の配布がゼロという日が来るのを覚悟しています。(有道)